好きな時間を買う
2022.11.08
高校を卒業して社会人になりたての頃。
初めての仕事と人間関係にだいぶん病んでいた。
そんなタイミングで、高校生時代に好きだったアニメやラノベよりも、一般向けの小説(ミステリー小説や幻想小説)にハマった。気が付いたらそれが現実逃避になっていて、さらに現実から遠ざかる為に自宅ではなくカフェで読書をするようになり、カフェ巡りにもハマった。休日が平日だと、2軒ハシゴなんてのもざらだった。
転職を2回してそんなに病むことがなくなっても、読書とカフェは好きで続けていた。
が、それも数年前からさらに減っていき、結婚した後、一人カフェと読書は一切といっていいほど無くなった。休日のルーティンといえば、朝は2日分の献立を立て、昼前にジム、帰りにスーパーで食材と昼ごはんの総菜を買い帰宅。帰宅後2時間くらいYou tubeやアニメを見てだらだら過ごし重い腰を上げて2日分の晩御飯作り。
書き出してみて改めて思うけどなんて平穏で退屈なんだ…。独身の時のようにしょっちゅう病んで毎日しんどい、なんてことはなくなって毎日旦那さんと一緒に過ごして幸せではあるんだけど、なにかしら気分が激しく高揚するような、刺激が全くといっていいほどない。まあ旦那さんと出会うまでは刺激求めすぎでそれはそれで危なかったけど。
しいたけ.占いでもあったけれど、魚座ほど退屈と普通を嫌い、刺激を求め(いい意味で)不真面目な星座もないようだ。
退屈な休日ルーティンから少しでも逃れるべく、今日は久々に一人カフェ。病んだ時の気分転換にもなるように、新しい場所を開拓したくなって街の中心地へ。場所はすぐに分かった。中に入ると若い男性店員さんが一人。中は狭く、レジカウンターしかない。この場でメニューを決めて支払いをするシステムのようだ。こういうのは苦手だ。あまり自覚はないけど優柔不断でメニューを決めるのに人一倍時間がかかるタイプなんだ。
なんとかざっと目を通し、聞いたことがある「クロムッシュ」と生クリームが乗った甘いドリンクを注文。
2階席へ行くと客は誰もいない。よかった。のんびり過ごせそうだ。
10分か15分くらいしてやっと運ばれてきた。想像以上にボリューミーでこってりだった。朝ごはん抜いてきて正解。大量のチーズとふわふわの食パンと温かいハム。美味しかった。食べ終わる頃に他のお客さん。狭い店内なので会話が丸聞こえの距離感。まぁ私は耳が良くないから喋っていることは分かっても内容は一切分からないんだけど。
しばらくスマホをいじり、忘れたノートの代わりの買い物メモ裏面に今思ってることをちまちま書き出していく。あまり書けなくて頭の整理ほどではないけど、少々頭の中の騒めきは軽減されたような気がする。
次は一番お気に入りのカフェに行こう。長らく行かない間に閉店していて もっと頻繁に通っていれば良かったと後悔などしないように。
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